2020/06/08
胎児は、妊娠の早い時期から子宮の中で自己回転していますが、28週くらいになると頭が恥骨側に位置する「頭位」で安定するようになってきます。
しかし、逆子の形で安定することもあり、そのまま分娩に臨むと危険性が高いので、逆子を矯正した方が良いと言われています。
産婦人科では、外診と超音波診断による検査で逆子かどうかがわかります。一般に28週くらいから逆子(骨盤位)を問題とし逆子体操を指導することが多いです。
鍼灸治療では、28週~30週に治療を始めると頭位に返る割合が高いです。3週間に6回~4回の治療を行うことを目安として治療を開始します。
当院でのこれまでの統計上、37週以降に入ると戻る率が急激に減少しますので、できるだけ早い受診をお勧めします。
逆子治療の施術は、鍼により経絡の調整を行った後、古来から行われている「逆子の灸」と呼ばれる至陰(足の小指)というツボ(経穴)の施灸を主とします。※状況により三陰交、背部特効穴も使用します。
経絡治療は証により、手足の経絡・経穴を中心に治療しますので、母体に与える刺激量が少ないという優れた特性があります。
基本的には、週1回~2回当院で治療しますが、自宅でも施灸して頂きます。※灸(実費)をお渡しして、ツボや方法もお教えします。
妊娠週数に応じて灸の壮数を増やしていきます。
鍼灸治療をすると、お腹が柔らかくなり、赤ちゃんが自然に返るのをさらに返りやすくしてくれます。全員が返るわけではありませんし、今までの研究では治療効果にも差があって不明なことも多くこれからも研究が重ねられていく必要がある治療法ですが、治療をする価値はあるものです。
近年は、鍼灸に理解のある病院や助産院は増えています。逆子治療を始めるにあたり、一度、医師や助産師とお話ししておくと良いと思います。